小児歯科といってもそれぞれの医院、先生によっていろんな考え方があるんです。
ですから、私達はどんな考えで子供たちに接しているか、
ということをお話してみようかとおもいます。
小さいころから、お子さんが"歯医者さんは口の中をきれいにするところ、虫歯の予防をするところ"、 というような、プラスのイメージを持つように耳元でささやいててください。 間違っても、"歯ブラシしないと歯医者さんに行って歯を削ってもらうよ"。 とか"歯を抜いてもらうよ"。 などということは言わないようにしてくださいね。 このような言葉を家庭で使っていると、歯科医院に来ることがいやになって、診療室に入っただけで泣いてしまう (まだ、何にもしてないよ~と叫びたくなるんですが)・・・なんて。 そうなればお母さんだって大変です。くれぐれもご注意を
「その子のために」を考えて・小児歯科のトップへ↑↑最近、ものを"咬む"ということが少しおろそかにされているようでちょっと心配です。 (3)も(4)も歯の本来の機能である"咬む"ということをしっかりしていれば心配ないのですが・・・
ものを"咬む"ということは、歯を通じで、あごの骨に咬む刺激を伝えているのです。 咬む刺激があるからこそあごは成長する。
それにものを"よく咬んで食べる"ということは、鎖骨から上の筋肉をよくつかい、
鎖骨から上の部分の血行をよくします。脳内血流もよくなります。当然肥満予防にもなりますし。
また、ここでいう筋肉は、あごを動かす筋肉だけでなく、顔の表情筋全部が含まれます。
皆さんのお子さんは表情豊かに育ってますか?(表情筋を使うのは大人も同じです
。最近ほっぺがたるんできたお母さん。よく咬んで食べましょうネ。)
ですから、歯・本来の"咬む"という機能をしっかり使い、お子さん自身のちからで、 くちもと美人をめざし、いざ出発!
あッ。そうだ。前歯をよく使うことを忘れないでください。せっかく硬いものを食べてても、 前歯を使わないと駄目なんです。前歯をよく使うには、食べ物を大きく切ること。 小さく気ってパクッ、じゃなくて大きいままガブリッ、です。 別にそんなに硬くなくてもいいので、りんごを大きく切ったり、とうもろこしをかじったり、 食パンをかじったり。特別なことでなく普段の生活の中でできることからやってみて下さいね。
「その子のために」を考えて・小児歯科のトップへ↑↑"咬む"ということがいかに大切か、ということが多少おわかりいただけたかと思いますが、
虫歯があったら、それはよく咬めませんよねェ。
子供の虫歯は、歯ブラシが原因でしょうか?よく、"この子は歯ブラシがへたで・・・"とか、
"ちゃんと歯ブラシをしなかったから虫歯ができたんでしょ!!"などと、
子供をしかっている姿をみかけますが、これでは子供がかわいそう。
"甘いものが好きで・・・"こんな声もきこえてきます。
子供が一人でスーパーに行って甘いものを買ってくるのでしょうか?
買ってくるのはお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、大人です。子供ではありません。
子供は自分ひとりではきれいに歯を磨くことができません。
子供が磨くのは歯磨きをする習慣をつけるためで、実際にはほとんど磨けてないことのほうが多いのです。
9歳までは仕上げ磨きをしてあげましょう。
よくうちの子は仕上げ磨きをさせてくれない・・・という声を聞きます。
どんな子もそんな時期があるんです。成長過程のひとつでしょうか。
しかしながら、何週間もそのまま放っていては虫歯ができてしまいます
。仕上げ磨きをする、しないは、子供が決めるのではなく、親の意思で決めてください。
仕上げ磨きができず、虫歯ができてしまったら・・・やはりそれも親の責任です。
うちの子の場合・・・(By 須藤さちこ)
いや~おねえちゃんは苦労しました。やっぱり誰にでもあるんですね。
仕上げ磨きを嫌がる時期が。自我がめばえてくるからですかね~。
最初の2~3日はご機嫌をなんとかとりながら・・・
ビデオを見せながらとか"歯ブラシ終わったら絵本よんであげるからね~"、
"おりこうちゃんですね~"とか・・・やってみました。
教科書に書いてある方法はいろいろやってみましたョ。
でもね~やっぱり教科書どうりになんか子育てはいくはずがなく・・・
そのあと一週間仕上げをせず様子を見ましたが、やっぱり変わらなかったので、
次の日からは足の間にはさんで、羽交い絞めにして力ずくで押さえ込みながら、
歯ブラシ・・・(※注 このとき歯ブラシをしている手には力が入らないようにしてください。
子供を押さえているのと同じ力で歯を磨いてしまっては、痛くて痛くて一生抵抗にあうでしょう。ハハハ)
最初の3日くらいはかなりの抵抗にあいましたが、"泣いてもわめいても仕上げ磨きはするからね!" というこちらも本気だよというところを見せ、 その後あきらめたのか、だんだんさせてくれるようになりました。(母の勝利)
下の娘・・・・これは楽チンでした。 姉の仕上げ磨きをずっと見ていたので自分もはやく仕上げをしてほしかったみたいです。 下の子っていろんな面でらくですよねぇ。
子育てをしているお母さんはホントに忙しい。
昼間は動きっぱなしだし、夜は何度も目を覚ます
(子供に蹴りをいれられたりして・・・笑)
どうしても自分のことが後回しになってしまいますが、
口の中のばい菌は親から感染するのです。
口の中がきれいなお母さんのばい菌は善玉の菌が多く、
善玉の菌が子供に感染すれば、子供もそんなに苦労せずにすみます。
ところが、お母さんが忙しさのあまり、歯をきちんと磨かず、口の中に悪玉菌が増えていると、
悪玉菌が子供に感染し、虫歯だらけや歯周病に苦労することになります。
当院では年3回(4ヶ月に一度)の定期チェックとフッ素塗布をおすすめしています。 子供の虫歯は速いときは1ヶ月でできてしまいますので、4ヶ月以上あいてしまうと、かなり不安です。 次の項でお話ししてますが、乳歯はいろんな意味で治療が大変。 だから、いっしょに虫歯ゼロをめざして頑張りましょう。
フッ素には大きく分けて2種類あります。
歯を磨いたあとに、歯ブラシの先にジェルをつけて歯全体に塗ります。 塗った後はうがいをせず、そのまま寝てください。
口に含み、30秒ぶくぶくうがいをしてください。 そのあとは、ゆすがずに寝てください。 ぶくぶくうがいができるお子さんが対象です。
永久歯は、はえたてが一番虫歯になりやすいんです。
なぜかというと、はえたての永久歯は、人生の中で一番歯が柔らかいのです。
歯が柔らかい?ちょっと変な感じですが事実です。イメージとしては、歯は最初、
スポンジのように穴だらけではえてきます。
そこの穴に唾液に含まれるカルシウムがだんだん入って穴を埋めていきます。
最終的には15歳から成人くらいまでの間に最終的な硬さになるのです。
このスポンジのような柔らかい時期にフッ素がもっとも効果を出します。
この時期にフッ素を定期的に使っていると酸にとても強いよい歯質をつくることができるのです。
フッ素が最大の効果を発揮するのは永久歯が生えてきて2~3年のあいだ。
平均6歳で永久歯がはえてきて奥歯がはえそろうのが12歳から15歳くらい・・・
少なくとも中学に入学するまではしっかりフッ素を使いましょう。
家庭で口を開けられる子は、歯医者に来ても口を開けてくれます。 しかし、一番リラックスしているはずの家庭で歯磨きができない子が、歯医者に来てうまくできることはごくまれ。 そりゃ~家で開かないものが歯医者に来て知らない人に口開けろって言われても開けるはずがありません。 さあ、歯ブラシもって笑顔でお子さん追いかけていくださ~ィ。
治療を始めるのは、まずお子さんが歯科医院に慣れてから。 はじめは使う器具(鏡、ピンセット、歯ブラシ、バキューム)を見たり、自分でさわってみたり・・・ そのつぎに、実際に歯ブラシをしたり、フッ素を塗ったりして、大丈夫できるかな、 と思えば治療に入ります。嫌がるお子さんを無理に押さえて治療することはしません。 長い目で見た場合このような治療は決してよくないと、私たちは考えます。 その時はできなくても、何ヶ月か経つと、急にできるようになったりします。 子供の成長は速いですネ。あせらずゆっくり見守ってください。
子供の治療が大人と違い難しい理由はたくさんあります・・・だから虫歯にしてほしくないのです。 ちょっとあげてみますと
その他にもいろいろありますが、ざっとこんな感じです。虫歯ができてしまったら、 なぜできてしまったかを考えて、その後虫歯を作らないようにすればいいと思います。 ぜひ、ご両親でかわいいお子さんのお口の健康を守ってあげてください。
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